公営化・民営化が有用な市場とサービス:その理由と具体例
公営化と民営化の議論は、どのサービスや市場が公的運営に適しているかを理解するために重要です。ここでは、公営化が有用な市場やサービスを具体的に挙げ、その理由を説明します。
公営化が有用な市場・サービス
1. 顧客の選択が唯一の市場
- 電気、水道などのインフラ:これらのサービスは基本的に独占的な市場であり、民営化すると料金の上昇やサービスの質低下のリスクがあります。公営化することで、安定した供給と料金の抑制が期待できます。
2. 資源が限られている市場
- 石油、鉱物資源:これらは限られた資源であり、国家の戦略的管理が必要です。公営化することで、持続可能な利用と国民への公平な配分が可能になります。
3. 需要の源がネガティブな市場
- 火災時の消防活動、病気、犯罪:これらのサービスは、火災、病気、犯罪というネガティブな要因に基づいています。民営化すると、以下のような問題が発生する可能性があります。
- 消防士の場合、火災が発生すれば売上が上がるため、火災を引き起こす動機が生じる可能性があります。
- 医師の場合、病気を悪化させることで売上が上がるため、治療よりも収益を優先するリスクがあります。
- 警察の場合、犯罪が多発すれば売上が上がるため、治安維持よりも収益追求が優先される可能性があります。
公営事業のコストと民営事業のコスト
公営事業の無駄なコスト:
- 公営事業では、例えば道路清掃のような事業において、実際にきれいにしたかどうかのチェックが必要です。この監視コストは無駄とされることがあります。
民営事業の無駄なコスト:
- 民営事業では、顧客に選ばれるために営業・マーケティングに多大なコストをかける必要があります。選択肢が多い市場では、これが無駄なコストとなり得ます。
公営事業の課題と解決策
公営事業が広告宣伝するのは最悪のケースです。例えば、公営住宅のURが広告を打つと、広告費がかかり、さらに妥当な家賃かどうかの確認が必要になります。これを避けるためには、公営住宅事業を民営化することが一案です。もし貧困層のための公営住宅であれば、生活保護層こそ委託ではなく公営住宅にすべきです。
需要がネガティブでないため民営化すべき市場・サービス
- 学校:民営化することで多様な教育サービスが提供され、競争により質が向上します。
- 図書館:民営化することで、より多様なサービスが提供され、利用者の満足度が向上します。
- トレーニングジム、グラウンド:民営化により、設備の質やサービスの多様性が向上します。
- ハローワーク:民営化することで、より効果的な就職支援サービスが提供される可能性があります。
需要がネガティブであるため公営化すべき市場・サービス
- 老人ホーム:現在、民営事業に委託されているケースが多く、中には悪徳業者が老人がいないのに老人がいると計上して儲けている業者があります。
- 貧困者のアパート:劣悪なアパートなのに生活保護の上限の家賃を支払わせるなどの生活保護受給のお金で儲けている問題が発生しています。
- 公営化することで、これらの不正行為を防ぎ、安定したサービス提供が可能になります。
資源が限られているため公営化すべき市場・サービス
- ネット回線と電柱:これらは限られた資源であり、公営化することで公平な利用とアクセスが保障されます。
- 漁業:資源管理が必要なため、公営化することで持続可能な利用が可能になります。
- 温泉:地域資源であり、公営化することで地域全体の利益が守られます。
結論
公営化と民営化のどちらが適しているかは、市場やサービスの特性によります。限られた資源やネガティブな需要に対しては公営化が適しており、逆に多様な選択肢が求められる市場では民営化が効果的です。これらの判断基準を理解し、適切な政策を実行することが重要です。
登録日:
更新日:
by
プログラマーこまつ