地方分権の一歩はお金の流れから
日本では今、税金や社会保障の徴収・配分の仕組みが中央省庁を経由しており、現場に近い地方の政治家（都道府県・市町村長・首長）がいくら選ばれても、本質的な権限・裁量は中央（特に財務省）に握られているという状況があります。
💸 現行の課題点まとめ
-
税や保険料の徴収権限は中央にあり、都道府県では徴収できない
-
地方交付税の額も中央が一括決定
-
お金の流れが長く、無駄なコスト・手続きが多い
-
制度改革には国政与党に依存するしかない
-
住民の選択肢が制限され、地域ニーズに応えにくい
🔄 新しい提案：地域特区による地方分権モデル
-
財政力指数が0.7以下いわゆる赤字の都道府県を「モデル地域」に指定
-
国税・社会保険料（健康・年金・雇用など）もその都道府県が徴収
-
地方政府が徴収・配分・行政運営まで一括して担う体制に
-
中央省庁は全国基盤の部分（例：年金の基礎部分、国防）だけを担う
-
地域ごとに医療・福祉・教育・インフラへの裁量を持たせる
- 市町村の役割も都道府県に集約
✅ メリット
-
現場判断による最適配分で住民満足度向上
-
中央の介入コスト削減＆行政スリム化
-
成功すれば制度を他地域に展開しやすい
-
住みやすさを求める人の移住促進につながり、選挙の競争原理も活性化
⚠️ リスクと考慮点
-
赤字地域ゆえに運営能力・人的資源不足が懸念
-
地方債や基金の健全性も財政ガバナンスの強化が重要
-
全国的な最低基準（年金・医療費など）との整合性確保が必要
📊 日本の現状：税と社会保障の金額感
-
国税：約 72兆円／年（2023年度）
-
社会保険料（被保険者＋事業者負担）：約 74兆円／年
-
地方税：約 45兆円／年前後
👉 地方税は国税や社会保険料に比べると圧倒的に少なく、裁量も限定的です。
そのため、地方に選挙や首長があっても、実質的に決められることが少ないのが現実です。
🌍 政策競争が生まれる社会へ
-
消費税・医療・福祉への重点配分は住民ニーズに応じて都道府県単位で決定
-
「教育無償化重視」「高齢福祉強化」など、政策の違いを都道府県間で選択できる社会へ
-
失政すれば住民は選挙で応答できて、他地域に移住で示せる
- 国政を変える事は難しいが都道府県での政治は人口が少ない分変えやすい
🚧 なぜ日本は改革できないのか？
日本には、以下のように是正や改善が必要な制度・分野が多くあります：
-
外国人の土地購入のルール不備
-
在日朝鮮人によるパチンコ産業の独占
-
株式持ち合いによる経済の硬直化
-
外国人技能実習制度の不透明さ
-
農協（JA）のガバナンスや役割の見直し
-
小選挙区制と政治の硬直化
-
中小企業支援法による非効率
-
政党交付金を含めた政党政治の在り方
-
住宅供給公社の意義
これらを本気で改革しようとしても、国政与党にならなければ実行できないという構造があります。
国防ならまだしも、農業のあり方や住宅の課題といった暮らしに直結する政策は地方が決めるべきであり、そうしなければ永遠に変わりません。
全てを中央省庁で決めてしまうと意見の違いから今のアメリカのような分断が起きてしまう
🧭 結論：まずは“流れを変える”ことから
税率や社会保険制度を一律に変えるよりも、
「徴収と配分の権限を都道府県に移し、まずはモデル自治体で小さく試す」
ことが、地方主権への第一歩として現実的かつ効果的ではないでしょうか。
年金の全国基盤や国防など、共通部分は国が担保しつつ、、
-
地方の裁量で暮らしの質を上げる
-
住んでみて好きな地域を選べる社会
-
政治参加への意識が高まる民主主義
そんな未来へ向けて、私たちは今こそ「地方創生」でばら撒きを行うのではなく本当の「地方分権」という方向に舵を切る必要があるのではないでしょうか
登録日：
更新日：