【徹底解説】プリペイド予約システムを作るなら必ず知っておきたい「お金の扱い」と法律
― 前払式、資金移動業、ポイント、そして仮想通貨まで ―
近年、飲食店・美容院・医療系のサービスでは 「無断キャンセル対策」 が大きな課題になっています。
その解決策として注目されているのが プリペイド型の予約システム です。
しかし、「予約前にユーザーからお金を預かる仕組み」を作ろうとすると、
扱う“お金の性質”によって法律上の区分が変わる ため、サービス設計が大きく変わります。
そこでこの記事では、
✅ 前払式支払手段になるケース
✅ 資金移動業になるケース
✅ ポイントならOKな境界
✅ 店舗間でポイントを横断するとNGになる理由
✅ 仮想通貨なら扱いが変わる理由
をわかりやすく整理します。
✅ 1. プリペイド予約で一番重要なのは「お金の性質」
予約システムにチャージ残高を持たせるとき、扱いは大きく3つに分類されます。
✅ ① 前払式支払手段(発行者が自社サービスだけで使えるプリペイド)
例:
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スタバカード
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サブスクの先払い
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自社サイト内だけで使えるプリペイド残高
特定の店舗(サービス提供者)だけで利用できる 場合は、
前払式支払手段として扱われます。
✅ 条件
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利用範囲が“発行者のサービス内”に限定
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他の店に使えない
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第三者間でやり取りできない
✅ 運用コスト(ざっくり)
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発行残高が 1,000万円 → 一般発行者として届出
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発行残高が 1億円超 → 供託義務が発生(多額)
✅ ② 資金移動業(他人に送金できるようにすると一発アウト)
次のような操作を許可すると 資金移動業 になります:
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ユーザー同士のポイント送金
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店Aで受け取ったポイントを店Bでも使える
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第三者へ振替できる
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出金できる
例:
飲食店Aでキャンセル発生 → 店Aのオーナーが1000pt獲得
そのポイントで飲食店Bの予約を支払う
→ 店舗間で価値が移動しているため“送金”と同じ扱い
これが 資金移動業法のど真ん中 です。
✅ なぜダメなのか?
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“誰かから誰かへ”価値が動く
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それは「送金」とみなされる
-
日本で送金サービスを提供できるのは「資金移動業者“だけ”」
✅ 資金移動業の運用コスト
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供託:1,000万円〜
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AML(マネーロンダリング対策)義務
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本人確認(KYC)義務
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年次監査
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システム監査
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金融庁との定期報告
→ 個人開発ではまず不可能
✅ ③ 単なるポイント(数値)であっても「価値移転」するとアウト
よくある誤解:
「ポイントという表現にすればOKでは?」
結論:NO
法律が見ているのは「価値が移転するかどうか」で、
ポイントか残高かは関係ありません。
✅ ④ ではどうすれば安全なのか?(合法パターン)
✅ ✅ 安全パターン①:各店舗が独自プリペイド(相互利用不可)
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店Aだけで使えるプリペイド
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店Bだけで使えるプリペイド
-
横断利用不可
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ユーザー間移転不可
→ 前払式支払手段で済む
→ スモールビジネスでも可能
✅ ✅ 安全パターン②:銀行振込のみでチャージ(識別番号で紐付け)
ユーザーが毎回“決済”を行う方式で、ポイント残高として預からない。
例:
-
銀行振込で毎回支払ってもらう
-
システムには残高を持たない
→ プリペイド扱いにならないためガチで合法
飲食予約では最も現実的。
✅ ⑤ そして最強の選択肢が「仮想通貨」での決済
ここが本題。
✅ ✅ 仮想通貨なら「あなたのシステムはお金を預からない」
仮想通貨(例:JPYCやBTC)はユーザーのウォレットから直接 ブロックチェーンで送金 されます。
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あなたのシステムは“残高”を持たない
-
“価値の管理”もしない
-
ユーザー同士の送金もチェーン上で勝手に行われる
→ あなたは金融規制の対象外
ここが圧倒的に大きい。
✅ ✅ しかも手数料はクレカの10分の1以下
例:
| 手段 | 手数料 |
|---|---|
| クレカ | 約3% |
| PayPay | 1.6%〜2.9% |
| JPYC(Polygon) | 数円〜十数円 |
| Bitcoin(Lightning) | 0.1円〜3円 |
→ 圧倒的に安い
✅ ✅ 仮想通貨決済が“法的に強い”理由
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あなたは「お金」を預からない
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あなたは「送金」を提供しない
-
ユーザー間送金はチェーンが勝手に処理
-
あなたはただ“その結果を検知するだけ”
つまり 金融庁の対象にならない
プリペイド残高を持つ場合に比べ、圧倒的に自由。
✅ まとめ:プリペイド予約システムは「お金の扱い」で運命が決まる
| 方式 | 法律 | 個人開発 | 店舗横断 | ユーザー送金 | コスト |
|---|---|---|---|---|---|
| 自社プリペイド | 前払式支払手段 | 〇 | × | × | 中 |
| 店舗横断ポイント | 資金移動業 | × | 〇 | 〇 | 超高 |
| 銀行振込方式 | 実質ノーリスク | 〇 | × | × | 低 |
| 仮想通貨決済 | ノーリスク | ◎ | ◎ | ◎ | 最低 |
✅ 結論:「抵触しない・安い・実装簡単」なのは仮想通貨
もしあなたが
✅ 店舗横断
✅ キャンセル料分のポイント移転
✅ ユーザー間送金
✅ 出金・換金
✅ オーナーへの自動分配
を全部実現したいなら、
👉 仮想通貨を使うのが最強の設計
👉 法律リスクゼロ
👉 決済手数料も劇的に安い
ユーザーの抵抗ポイント(暗号資産は怖い)さえ乗り越えれば、
限界まで自由度の高い予約システムが作れます。
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