起業・新規事業が成功しないたった一つの理由
ネットでなぜ煽る?
よくネットで起業が正義のように取りだたされ、成功もしそうにない人に煽りまくるのはなぜなんでしょうか?
「起業で成功するための5つの理由」みたいな記事をよく見かけますが、
そもそも起業して簡単に成功するならば、その記事を書いた人が
それを実行して成功して、そんな記事を書く必要もないのではって思います。
そのネットでの煽りを受けて起業して損害を被っている方も多いのではないでしょうか?
今回はその逆で起業・新規事業がなぜ成功しない。
起業しちゃダメな理由を書きたいと思います。
起業を時代とともに見ていく
起業がうまくいく確率は時代とともに変遷していくというのが自分の考えです。
起点はやはり1995年のIT革命です。今ネット業界を席巻している、いや、全ての産業を呑み込もうとしている
GAFAをはじめ成功しているいわゆるIT企業の起業の年代は2000年前後かと思います。
GAFA とは?|カンタン比較① 株と歴史まとめ|2020年の勝者は? | 前向きリサ☀︎カリフォルニア with 難病EGPA
1998 | |
Amazon | 1994 |
2004 | |
Apple | 1976 (1997にジョブス復帰) |
Facebook、日本だと2ちゃんねる、グリー、さくらインターネットなど個人で開発、構築したシステムがあれよあれよと言う間に巨大な企業やサイトに成りあがりました。
理由は簡単で時期です。
IT革命直後ではインターネット市場も少なければ、参入する会社もすくなく寡占化がまだ起こってなかった所にあります。
なので1990年代にインターネットで起業するという話であればめちゃくちゃ成功する確率は高かったのではと思います。
自分も2003年ぐらいの当時に今でいうUberみたいなビジネスモデルで自転車のシェアリングサービスのアイデアをビジネスコンクールに応募した事がありましたが、それが受かって出資を受けていたら人生が変わっていたのかもしれません
2010年前後
しかし、21世紀に入って数年がたつとネットビジネスに参入する企業も増えITバブル、ネットバブルの変遷を経て個人開発では太刀打ちができない状況になってきました。
2010年前後ではアプリ特有のアドバンテージを活かしたサービスが頭角を現してきます。
メルカリ、LINE、Instagram、tiktokなどなど2010年代なので、もはやこの時には個人開発ではなく、スタートの時点で出資を受けて会社としてサービスを立ち上げている企業ばかりです。
スマホアプリ以外で成功したサービスはSalseforce、チャットワーク、slack、ビズリーチ、Shopify、BASEなどのSaaSと言われるようなB2Bのビジネスモデルのサービスです。転職の振り返りでも書きましたが、2010年以降ではConsumer向けのサービスは寡占化が進んでいるので厳しく、
SaaSなどのB2Bの方がチャンスがあるのではと考えていました。
ところが、SaaS企業を転職活動中に見ていくと
「これってGoogle Spread Sheetで事足りるんじゃ?」
っていうサービスが多かったです。
つまり無料でできる事を合えてお金を払ってツールを使う訳がないってなります。
その点からも、個人開発や学生起業では太刀打ちできるものでもないかと思います。
2001年から2021年の期間で上場を達成した学生起業家13名
これらの見解からスマホアプリ開発もすでに寡占化していて、SaaS開発も飽和状態
2010年代ですら会社としてあるていど出資を受けてからでないと成功しないのに今の
2020年代から起業となるとさらに難しくメリットも少ない状況なのではと思います。
情報は平等という公平さが格差を広げていく
1990年代はまだ、情報が不十分で偏りがあったため、
「ネットビジネス市場が成長する」
という情報が平等にはいきわたらない状況ではあったものの今では「仮想通貨」が儲かる「NFTが儲かる」といった情報は瞬時に平等に伝わって飽和状態になります。
そんな中で自分にしか思いつかない起業して成功するアイデアが浮かぶのでしょうか?
そんな都合のいいことがおきるはずがないです
状況証拠としては仮に大学生が起業して成功したサービスがあったとしても、数多くの資金のある会社が買収しにいく、もしくは似たようなサービスをすぐに作ってしまう
FacebookがInstagramを買収して、snapchatの機能を開発したのが典型的な事例かと思います。
もう一つの証拠としてはかつてネット黎明期で名をはせたホリエモンやひろゆきは一度成功した経験があり実力もあり、知名度もあります。
それに加えて、資金もあり、人脈もあります。
そんなチャンスに恵まれた人たちですらインフルエンサーどまりとなっています。
これらの状況で起業して成功するビジネスモデルって一体なんでしょうか?
ほぼないんじゃないかと思います。
皮肉なことに情報が平等になればなるほど、実力や能力がある人が稼げるのではなく、
既にお金を持っている人がさらにお金を稼げる仕組みになってしまっているという事です。
チャンスのある領域
とはいえダメダメと否定するだけでは面白くないので、
ネットの歴史から色々可能性が少ない中成功しそうなサービスを絞りだしました。
資金 | やりたい事 | スキル・知識 | |
VR, メタバース | 不要 | × | 各々のプラットフォーム独自 のスキル |
古い産業に参入 DXコンサルタント |
必要 | 〇 古い産業をシステムで改善 |
今あるITスキル + 各々の産業の知識 |
フリーランス | 不要 | △ システムの仕事でも ただの労働者 |
自分の今持っているスキル |
市場を独占しているプラットフォームにのっかってビジネスをする方法
Google Play, Apple Store | LINE, メルカリ |
ブログ | ブロガー |
Youtube, Instagram, Tiktok | インフルエンサー |
VR, メタバース | ここがねらい目!? |
プログラミングで開発する立場からするとどうしてもプラットフォームを作る発想になりがちですが、コーディングすることは一旦忘れてプラットフォームにのっかる事を考えて起業というか、お金を稼ぐ方法を考え見た方が成功する可能性が高いのではと思います。
今現時点で誰もが使っているメタバースやVRがないので、流行りそうなものに先取りしてその中で頑張れば何かしら稼げるかもしれないですが、果たしてVR・メタバースが今のスマホアプリぐらいな一般的なものになるのかは疑問の念が残るところです。
fortniteみたいなゲームが広義の意味でのメタバースなのであれば、今存在してますが、
もうすでに凄腕のゲーマーがいるので手遅れですね。
そもそも自分のやりたい事から大きくずれてもいます。
昭和の会社のDX化
他にチャンスがありそうな領域は古いしきたりがあるような業界で
システムを用いてディスラプトしていくといった起業がチャンスがあるのではと思います。
転職してた時の会社選びの軸ともかぶりまが。
そういった他業種参入で上手くいってる会社もいくつかあります
冠婚葬祭が未だに費用がバカ高いので、結婚のみんなのウェディング
葬儀屋のよりそうなどが上手くいっている会社の一つでもあります
2つとも会社からの資金があってはじめて成功したサービスなので、やはり時間が経つにつれて資金の額も大きくないと成功できないようになってはいます。
フリーランス・クライアントワーク
最後に残ったのが受託開発などのクライアントワークやフリーランスの仕事。
クライアントワークやOEMで起業の場合は投資する金額も0でも問題なく、
受託をすれば確実に報酬がもらえるので、成功する可能性は高くなりますが、
そうなると結局経営というより、下請けのただの労働者になってしまいます。
結局過去の記事にも書いたようにITゼネコンの最下層の仕事で割に合わない仕事が
中心になって「なんのために起業したんだろう?」ってなりそうです。
サービス起業年表をザックリ
念のためもう一度記載しますが、起業やサービス立ち上げには時期が重要でその表です。
2000年代 | 起業の時代 |
2010年代 | 弱小企業が淘汰もしくは買収され勝ち組企業が成長の時代 |
2020年代 | GAFAMかそうでないかの時代 |
20年前であればネットビジネスで起業することを強くお勧めしますが、
2020年代になった今GAFAMが手を出しそうにないような利益率の低いビジネスを
狙わざるを得ないです。
日本政府が中国やEUのようにGAFAMに対して厳しい規制(
https://www.aljazeera.com/economy/2022/2/7/dataspatmeta-threatens-to-pull-facebook-instagram-from-europe
https://www.nikkei.com/article/DGXKZO32055000R20C18A6H56A00/
)をかけない限りは変革の時期ではなく2010年代をゆるやかにしたような市場を独占した企業がさらに伸びていく時代になるかと思います。
煽りは謳っている人のポジショントーク
よくIT企業を特集しているメディアやイノベーションサミットみたいな所では
「これから数年がさらに変化が起きる時代・革命の時代」
とあおる事が多いですが、自分個人の意見としては変化はより少なく安定していくのではと思います。
上記のニュースのリンクのように巨大IT企業がさらに成長して各国の政府を脅かす存在になることが予想されます
自分も若い時はそういったあおりを受けてその気になってました。
https://www.youtube.com/watch?v=fuP0bMvHhZM
未だに覚えているのは
「これから少ない資金でも能力があればいくらでも起業して成功できる」
「どんどん成功しやすい世の中になっている」
といった事を田端信太郎さんが言ってたのを真に受けてました
それから10年くらいが経ちどうなったかというとむしろ真逆で新規事業や起業の資金が高騰して、いくら能力があっても資金力がないと今の時代では到底不可能という状況になっています。
考えてみれば事業を成功する能力とはなんぞやとなるとその知識・アイデアの元がインターネットとなりそのインターネットがみんなに平等にあります。
そうなるとそもそも能力で人とアドバンテージをつけて事業を回すという事自体がしづらくなってきます。
そうなると、結局能力以外の人脈、資金、資産がある人・企業が勝ち残るっていう論理が成り立ちます。
これらの情報から起業を考えている人や新規事業を考えている人もいると思いますが
絶対にやめた方がいいです。
成功しません。
自分も新規事業案も数えきれないほど提案したり、起業も考えたりして、めちゃくちゃ好きなのですがITの技術者がはじめる起業の成功する可能性はほぼ0で年々さらに成功率は減少していきます。
それが現時点での結論です。
いや、そんな事ないよとここ最近で個人開発のサービスが成功したケースがあればコメントお願いします。
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