なぜDXは失敗するのか?
DXという言葉の違和感
ここ最近よくDXという言葉も聞くし、自分自身も事業会社のDXの案件に携わりたいと思ってきたのですが、違和感を感じだしている所です。
「DXとは」でググってトップのページがこれでした。
DX(デジタルトランスフォーメーション)とは?正しい意義と推進ポイント | DOORS
このページではIT化と違うと記載していて
「デジタル技術を用いることで、生活やビジネスが変容していくことをDXと言います。」
だそうです。
あんまり具体的にSaaS導入がDXなのか自社ECを立ち上げればDXなのかが記載されてないので、結局のところ曖昧な言葉のバズワードっぽくなってる気がします。
個人的にはずっとDXを導入して業務効率を図ってコスト削減して最終的に利益を上げるというのがDXのたいていの意味だと思ってたのですが、転職活動などを通して色々な会社を見てくると一般的な認識はDXで業務効率を上げてもしくは自動化して売り上げを上げるという認識の方が多かった印象です。
大半の経営者はDXでコスト削減を求めていない
たいていの経営者が求めるDXは
- shopify, BASEを導入してより多くのユーザーと接点を持ち売り上げを上げる事
- SalesForceでより顧客のニーズにマッチするようなソリューションを打ち出して売り上げを上げること
のような売り上げを上げる施策としてとらえがちなのではと思います。
ほとんどの経営者はマーケティングがもっと上手ければもっと売上が上がると思いこんでいてそのためDXを導入するって考えているのではと思います。
だから、売上を上げるマーケティング系のコンサルタントの需要も大きければ給料も高い。
しかしながら、人口減少している今の日本でそれは厳しい話かと思います。
新規事業が成功しないでも紹介したように売上を上げる施策の難易度は高い。
それでも、売上が上がらないことには事業自体の成長もしないという事なので、多くの経営者も躍起になって売上を上げる事に奮闘しているのだと思います。
ただそれが大きな間違いです。
いいシステムを入れたから売上が上がるっていうほど遠い夢を見ているだけにすぎません。
売上を上げることをあきらめてコストカットに集中して確実に利益を確保しにいきますってスピーチしている社長ってみたことも聞いたこともないですよね。
コスト削減の方が簡単で確実でもコストカット要員は雇いたくない
業務改善、システム入れ替えによるコストカットの方が確実で簡単
でもコストカットは経営者にとって魅力的ではない
コストカットできるCTOと謳っておいて高単価の案件を望めば、自分の原価分費用が高くなる矛盾
エンジニア視点からやりがいを求めて、低単価でもOKにすると裁量も与えられない一般エンジニアの案件に騙されて入ってしまう
採用は中長期的にお金がかかる行為なので「コストカットのための採用」自体が矛盾してるからそういった求人がない
お金がない時、ランニングコストを減らしたい時に企業はリストラしたくても雇いたくはないはず。
資金繰りが苦しいときにランニングコストを下げれると雇われる側から言われても、経営者からすればリスクの高いギャンブルに見える
コスト削減は必須項目
しかしながら、システムの入れ替えで期待できるコストカットは1/10~1/100ぐらいできるはず
経験上は業務改善含めて1/15ぐらいにランニングコストを削減できて過去最高利益を出した経験もあるぐらいです
元来、IT投資だの、IT化などの予算はあくまで余裕のある予算の中で行われていて、今でもその流れがあるため前述した売上を上げる施策としての意味合いが濃く今でもDXはそういった意味を半分以上含んでいます。
過去の自分の経験した大きぼな経験でもリプレイス前は売上を上げるための施策を早いスパンで実行できるためのリプレイスという名目の元でのリプレイスでした。
その後、売上を上げる施策はことごとく失敗して、コストカットは順調に進んだため、結果としてはランニングコストを抑えるためのリプレイスという事になりました。
元々赤字の会社だったのを自分が気にしていたのもあったので、徹底的にコストにこだわってリプレイスしたので経営者としての意図とは違いましたが、結果オーライになったかと思います。
実はこういう事例がすごく新しい本当の意味でのDXなんじゃないかと思っている所です。
DX自体が目的になってしまう
多くの企業でDXに積極的という言葉を聞くが実情は今までのIT投資となんら変わらないんじゃないかと思います。
システムを入れてのランニングコストとシステムがないときのランニングコストの2つを比較して実はそこまで変わらない状況もあることも多いのではと思います
じゃぁ、何のためのDX? DXっていう言葉だけが先行してそれ自体が目的になってないでしょうか?
しかし、DXという名の元コストをかけてシステム化したので"上手くいけませんでした","ランニングコストトータルで逆に上がりました"なんて口が裂けても言える状況ではないのではと思います
失敗例と成功例
例 スシロー
アプリからでもWEBからでも予約できる素晴らしい機能
しかし、予約したとしてもその予約時刻の呼び出し時に待合室にいなかったら飛ばされて次にいつ呼び出されるかわからない
結局受付のマシンで再発券してしまう人も多いのではと思います。
混雑の時間帯は予約できないとかにしないとユーザーのエクスペリエンスは向上してないかと思われます。少なくとも自分が経験した感覚ではUXの向上はしてないです
ユーザー側ではなく店舗側の効率化という点でアプリから、WEBから、店舗での受付からの案内を優先順位を決めて案内しないといけないので、オペレーションとしては逆に効率が悪くなってるかと思います。
なのでスシローの店舗受付のDXの実態は失敗なんじゃないかと思います。
とはいえ、スシローの店舗で食べる方ではなくて、お持ち帰りの方はECのみで決済が完了して、店舗では寿司を受け取るだけなのでDXは成功したように思えます。
例 くら寿司
くら寿司の受付機に関しては受付の前の発券機とテーブル案内のマシンで2つもあり、その時点で費用対効果はないんじゃないかと思います。
無人決済はスタッフなしで、決済が行えるのでそこは成功だと思いますが。
例 QBハウス
QBハウスは
- 現金しか受け付けない
- 予約なしなのでひたすらお客様を並んで店舗で待たないといけない
というやり方なので、客からすれば大変不便な方法ではありますが、変に予約システムを入れるよりオペレーションが簡単に済むのでDXするよりもよっぽど合理的でランニングコストが低く回せるようになっています。
クレカ対応すればクレカの手数料分利益が圧迫されます。
予約機能を入れれば、予約キャンセルの対応におわれてしまいます。
DXの言葉があいまいで意味が広いので、なんとなくDXって言って変なシステムを入れて、誰も否定ができない状況になって本末転倒になる会社がこれから増えていくのではと思います。
業務効率化、自動化という言葉ですら具体性がないように自分は思います。
トータルのランニングコストカットという極めてシンプルなKPIにすることをお勧めします。
システムの世界でもこのトータルのランニングコストカットという事から目を背けて自動化という言葉にこだわって結局システム費用高くなってないってよくある話です。
Fargate, Kubenetesなどの自動化ソリューションで響きはいいのですが、それ自体遅いなどの不具合が合ってその対応に追われて結局それらの最新の自動化ソリューションを導入する前よりもコスト高になったりしていないでしょうか?
DXの言葉の意味が広いがゆえ売上をあげるようなコストカットするようなでどっちつかずで結局、何にもプラスにならずじまいになってしまうのであれば、スマホを持っていないお客様は受け付けない、完全予約制、予約のキャンセル料金は頂くのようなもっと踏み込んだ事をしない限り大きな変化(Transformation)にはならないのではと思います。
DX業者に高いお金を払わずとも、プログラミングで開発せずとも無料ツールでやりくりして業務オペレーションコストを下げれる方法はいっぱいあります。
そのため完全無料ツールを紹介したりしているので、参考にしてもらえればと思います。
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