なぜ日本のエンジニアの給料は安いのに費用は高いのか?
なぜ日本のプログラマー・SEの給料は安いのに費用は高いのか?
#7 なぜ日本のプログラマーの給料は安いのに費用は高いのか?【就職・転職】 - YouTube
IT業界はゼネコン体質
そもそもゼネコン体質とは何なのか?
大企業のIT企業がプログラマーを正社員で雇わずに下請けの企業に仕事を渡そうとするもしくは、下請け企業からプログラマーを出向させようとします。
しかし、その下請けの会社にも適したプログラマーがいないのでその下請けの会社がさらにその下の下請けの会社つまり孫請けの会社にに依頼します。
こういったピラミッド式的な形での仕事とプログラマーの流れがITゼネコンだと言われています。
ちなみにここでいう出向は派遣とやってることと同じです。
それと実際下請け会社という言葉を使うと見下しているようでよくないので協力会社と一般的には呼んでいます。
そのゼネコン体質だと元々の会社から2回ピンはねされることになります。
月70万円を発注側の会社が支払ったとしても、ピンはね手数料が20%だと仮定して最終的に孫受けの会社がもらえる報酬は44万円になってしまします。
そして所属しているSierの会社がだいたい半分くらいピンはねしますので、最終的にプログラマーが支払われる報酬は22万円ぐらいになります。
このゼネコン体質の業界の説明でいくつか疑問がわいてきた人もいるかと思います。
ガチガチの正社員規制
じゃぁ、なぜ大手のIT企業は直接プログラマーを採用しないのか?
それは、開発が必要な時期とそうでない時期にムラがあります。
企業の業績、方向性、新規事業などで必要なプログラマーの数が1年で0人〜100人
に変動する事はざらにあります。
開発が不要な時期にプログラマーを雇っていると無駄にお金がかかってしまいます
正社員で雇った場合は仕事がなくなったからといって解雇にはできない縛りがあります。
海外と比べて日本では解雇しづらいという違いもあります。
正社員を雇うと有給であったり、産休、育休などがあり、プロジェクトが忙しい時に
休まれると困るといった場合もあります
つまり正社員という枠がガチガチに福利厚生などでまもられているためしわ寄せが下請けなどの中小企業にきてしまうという側面があります
職能給文化
それに加えて、日本は古くから職務給というポジションに対して賃金を支払うというよりその人の能力に対して賃金を支払うという文化でその人の能力が上がれば給料も上がるという仕組みが多いので、正社員で企業が抱えてしまうと成長と昇給を考えなければいけなくなります。
これらの理由で発注側の会社が正社員としてプログラマーを雇わず下請けの会社にプログラマーを依頼するケースが多いです。
お客様は神様文化
下請けの会社に依頼する理由はわかったけど
ではなぜ下請けの会社を飛ばして孫受けの会社に依頼しないの?
って思う人もいたかと思います。
中で仲介している会社をスキップすればその分ピンはねされる事はないのでプログラマーに入る報酬が高くなります
しかし、そういうわけにはいかないです。
発注する側はお金を支払う側なので、下請けの会社からすればお客様という事になります
くわえて、発注する側はプロジェクトのマネージャーなどの偉い立場で且つ忙しい立場なのでわざわざ新しい会社を探して、プログラマーの要請はしないです。
なので、発注する側は既に知っている下請け会社にプログラマーを依頼して、その会社にいなければどうにかして見つけてくれとと依頼する事になります。
10年以上前にプログラマーのデータを検索できるサイトを作成しました。
狙いとしてはマネージャーとプログラマーをマッチングさせてそのゼネコン体質な部分を回収すれば無駄なピンはねをされなくていいのではと思って作ったのですが、そもそもマネージャーはそういったサイトに入って検索しないので、うまく行きませんでした。
そういったいくつかの事情からピラミッド的ITゼネコンの体質があります。
Sierが50%ぐらいピンはねしている
正社員で働くSierの会社が50%ぐらいピンはねしている
まずIT企業によくある業務委託契約・SES契約の話をするとプログラマーが出向するというのは派遣とほぼ同じですが、プログラマー自体は送り出す側の雇用形態は正社員です。
その勤務している現場の会社つまり発注者側の会社でそのプログラマーは業務委託の契約として来てるプログラマーとなります。
プログラマーが月140〜180時間働いて50万円〜100万円がだいたいの相場です。
しかし報酬は半分ぐらいしかもらえないです。
毎月そういった契約のもとピンハネが行われています
ではなぜSierの会社は半分の額をピンはねするのか?
プログラマーを受け入れる会社、発注する会社に営業する必要があるため営業費がかかる
そもそもお金を払ってくれる会社を見つけられなければプログラマーがいてもお金にならないので、営業は必至です。
突然の契約不履行などでプログラマーが先方の会社から離任になって1ヶ月の間待ちの状態が続くようになればその人の1ヶ月の給料分会社が赤字になってしまうためある程度バッファを持たせて多めにピンはねしなければいけません
何かミスしたりなどして、損害賠償などになった場合は会社が責任を取らないといけないため、その保険として多めにピンはねしないといけません
などの理由が半分くらいの金額をピンはねする理由です
半分ピンはねされることは流石に大きいのでフリーランスになってピンはねの取り分の少ない仲介会社を通して仕事を探すという人も増えています
フリーランス時代の経験ですが、仲介会社を通して紹介された案件は残業が当たり前であったり、スキルがつかなかったりといい案件は少なかったです。
逆に発注する側の立場から仲介会社を通してフリーランスを採用した事もありますが、仕事に就いていないフリーランスという事になるのでパフォーマンスはよくなかった事を覚えています。
なので、ITなのにまだ人伝えで仕事を探すフリーランスは多いです。
やはり、重要なデータを扱うような仕事はどこの馬の骨かわからないようなプログラマーにさせるのはリスクが高いのだと思います。
プログラマーからしても、できる限り本人が既に知っている会社直に発注者側と契約すれば問題ないですが、会社によっては直契約が無理な所もあるなど簡単にはいかない部分もあるかと思います。
それでも、今の所ITゼネコンが脱却してピンはねをされないようにするにはこれが最善の方法かと思います。
フリーランスの仲介業者を通じてのSES契約する場合、不思議な点が一点あります。
お気づきなられたでしょうか?
IT企業でこのSES契約があまりにも一般的なので疑問を持つ人が少ないですが、それは、
「サブスクリプションモデル」
という事です。
フリーランスの仲介業者はあくまで会社とプログラマーをマッチングしているだけで
特に何もしていないです。
歴史的経緯で、SES契約はSierが会社として結びチームで出向したり、責任を取ったり
することが一般的だったのですが、フリーランスの仲介業者はただマッチングしている
だけなので、紹介した時に紹介手数料のみ発生するのが妥当だと思いますが、月に1人あたり、5万円〜20万円をピンはねしています。
例えて言うなら、引っ越しして新しい部屋を賃貸する時は業者間で紹介手数料を支払っています。
が、そうではなくて、月8万円の家賃の場合実質の家主がもらう賃料は6万円で2万円は紹介会社が毎月もらうというビジネスモデルです
なので、フリーランスの仲介業者で紹介手数料のみを徴収する業者が現れたら一気に市場を独占できるのかもしれません
そういうこともあり、給料が安いと思ったのであればリスクはありますが、フリーランスになって既に馴染みのある会社と直の契約を結べばピンはねされずに給料は上がるかと思います。
しかし、残念なことにフリーランスのプログラマーが増えると損をする人たちがいます。
それが仕事に就こうと思っている未経験のプログラマーです。
フリーランスは個人で仕事をうけて働きますが、Sierは会社が何名かチーム単位で仕事を受ける事が多く、経験のあるプログラマーと未経験プログラマーという形のセットで発注者側に提案する事が多いです。
なので、Sierのチーム内のOJTでプログラマーとしての経験がなくても育てる事ができるのですが、Sierの割合が減りフリーランスが増えればSierのチーム間のOJTで初心者を教える機会が減るので、結果未経験者が仕事に就く機会も減ることになります。
未経験者プログラマーが仕事に就きづらくなってる問題は別の動画
「プログラマー・システムエンジニアのコロナの影響」
「古き良きOJTの崩壊で未経験プログラマー浪人が増える?」
でも未経験が仕事に就くことが難しくなるかを説明しています。
難しくはなりますが、
「なぜプログラマーをすすめるのか?メリットは?」
でも紹介している通り多くのメリットがありますので、未経験の方は
諦めずにプログラマーになってもらえればと思います。
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